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売れやすい家、売れにくい家の条件とは?売れない家がやるべきこと

2019年12月8日

ナツダ
どうも、元住宅営業のナツダです。

不動産売却で思うように買い手がつかないと「売れやすい家と売れにくい家の差」が気になります。自分の家が売れにくい条件に当てはまるなら、改善したいですもんね。

じつは「売れやすい家」と「売れにくい家」には真逆と言っていいほどの違いがあります。

今回は売れやすい家と売れにくい家の条件について解説します。売れにくい家を売るためにやるべき3つのことも解説するので、売れなくて悩んで方は参考にしてください。

ナツダ
記事を読んでいただくと、自分の家が売れやすいのか売れにくいのか判断できます。売れない原因がわかれば対策できるので、ご活用ください。

なお「売れやすい土地売れにくい土地」については、以下の記事で詳しく解説してます。土地のことが知りたい方は、こちらの方が役に立つと思います。

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売れやすい家の条件

さっそく「売れやすい」と言われる家の条件をあげていきましょう。

売れやすい家の条件

  1. 適正価格
  2. 築年数が浅い
  3. 間取りや配置計画が良い
  4. 大手ハウスメーカーや大手デベロッパーの物件
  5. 高品質・高性能住宅

それぞれ、詳しく解説しますね。

適正価格

不動産を売るときは、適正価格であることが一番重要。「適正価格」とは、相場価格に物件固有の「良い所・悪い所」を加味して付けた価格のことです。

とくに悪条件は、必ず織り込んで価格設定しましょう。

不動産売却では、悪条件を買主に申告したうえで適正価格を提示するのがベスト。適正価格で売れると、あとでトラブルになりにくいです。

悪条件の例

  1. 調子が悪い住宅設備がある
  2. 過去に雨漏りやシロアリ被害で修繕してる
  3. 不具合の売主責任を無しにしてもらう

その物件の価値に対してお買い得感があれば、たいていの物件は売れます。売れない一番大きな理由は、適正価格で売り出せてないから。

相場より高すぎると見向きもされず、相場より低すぎると「なにかあるのでは?」と警戒されます。

ポイント

相場と極端に違う価格で売りたいなら、高い理由や安い理由を伝え「適正価格」であることをアピールしましょう。

適正価格で売るために、売主は相場を知っておくことが大切です。

相場の調べ方は、以下のとおり。

相場の調べ方

  • 複数の不動産屋に査定してもらい比較する
  • 不動産売買のポータルサイトを使って調査する
  • 国交省のWEBサイトで過去の売買事例を探す

相場の調べ方について、こちらの記事でも解説してます。詳しく知りたい方は、参考にどうぞ。

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築年数が浅い

築年数は、浅ければ浅いほど売れやすいです。とくに、10年未満。

その理由は、以下のとおりです。

買主が「築10年以内」を選ぶ理由

  • ポータルサイトの「築年数」検索条件の影響
  • 住宅ローン控除が最大限(10年)受けられる
  • メンテナンス費用が少なくて済む

順番に、もう少し詳しく解説しますね。

ポータルサイトの「築年数」検索条件の影響

不動産情報のポータルサイトで探すとき、検索条件で「築年数」の指定ができます。「3年以内/5年以内/10年以内」といった感じです。

大手不動産ポータルサイト

そもそも、せっかく買ったマイホームを「築5年以内」に手放す人は少ないです。

物件数が多いエリアなら「10年以内」にチェックを入れて検索すると、けっこうヒットします。なので、11年目以降は不利です。

住宅ローン控除が最大限(10年)受けられる

木造などで建てられた「耐火建築物以外の住宅」は、築20年以内であれば住宅ローン控除が受けられます。

つまり、最大限(10年間)住宅ローンを受けようと思うと「築10年以内」が必須条件となります。

ポイント

ちなみに鉄筋コンクリートなどで建てられたマンションは「耐火建築物」に該当します。築25年以内であれば、住宅ローン控除が受けられます。
 
10年間住宅ローン控除を受けようと思うと「築15年以内」の物件を買うことが必須条件になります。

メンテナンス費用が少なくて済む

家は建ててから10年を超えると、徐々に修繕費用がかさみ始めます。

勉強熱心な買主ならそれを知ってるので、中古住宅は築浅であればあるほど人気です。

築後10年以降の、代表的なメンテナンスをあげてみましょう。

  • 水回り交換
  • シロアリ防蟻処理
  • クロス(壁紙)貼り替え
  • 外壁塗装
  • 屋根の葺き替え、または塗装

住宅の「水回り」とは、以下のものを指します。

  • キッチン
  • 風呂
  • トイレ
  • 洗面化粧台
  • 給排水管
ナツダ
上述のものとあわせて、給湯器なども交換が必要になります。

それから、耐震性能も築年数と関連しています。とくに1981年(昭和56年)以前に建った家は、解体して更地にしてから売ることも検討しましょう。

1981年の建築基準法改正
1981年6月1日にいわゆる「新耐震基準」が導入され、住宅の壁量が強化された。
阪神・淡路大震災で昭和56年以前の建物に被害が集中したため、新耐震基準以前の建物は中古住宅市場では不利になっている。

以上のことから、築年数が10年未満の家が人気です。

間取りや配置計画が良い

間取り配置計画が良い家は、買主を引きつけます。

間取りと配置計画、順番に詳しく解説しますね。

間取り

さて、どんな家が「間取りが良い家」と言えるのでしょう。

たとえば、以下の2つがそろってると高評価されます。

  1. 使いやすい間取り
  2. ライフスタイルに適応できる間取り

「使いやすい間取り」は、買主のライフスタイルや家族構成によって違います。

ちなみに国交省の住宅市場動向調査によれば、中古住宅を買った世帯主の半数が30代~40代で、居住人数は3人~4人が最も多いそうです。

ですから少なくとも3LDK以上、できれば4LDK(内1室は和室)の間取りがあると売れやすいと言えます。

ちなみに、下手に凝った注文住宅より建売住宅のような一般的な間取りの方が人気です。

注文住宅は、センスのない営業マンが間取りの原案を考えているケースもあります。注文住宅だからといって、必ずしも「使いやすい間取り」と言えません。

ナツダ
設計士がシッカリ工夫しながら作った間取りの注文住宅は、人気です。

長く使える家やライフスタイルに適応できる間取りも、人気です。

買主は、例えばこんなことを想像してます。

  1. 子供たちと一緒に住む
  2. 子供たちが独立し夫婦二人で住む
  3. 足腰が弱った老後も過ごしやすい

上述のようなライフステージに合わせるには、最初から計画的に間取りを作る必要があります。計画的な間取りなら少しのリフォームで適応できます。

「間取りの可変性」の代表が、間仕切壁(まじきりかべ)です。大きな1室にしたり小さな2室にわけたり、カンタンに作ったり壊したりできる計画がされてる間取りならベスト。

間仕切壁と併せて、以下のものの配置が良いと高評価です。配置が悪かったり、そもそも無かったりするとリフォームのときにお金と時間がかかります。

  • コンセント
  • 照明
  • 建具(ドア)

間取りについては、以下の3つも買主へのアピールになります。

  1. 日が差し込む
  2. 風通しが良い
  3. 地震に強い

昼間は照明が要らなかったり窓を開けると風通りを感じられると、内見(内覧)で高印象です。

日照や風通りは、土地の影響も受けます。将来家の周りに高層の建物が建つ可能性があるなら、それを気にする買主もいます。

ポイント

土地はそれぞれ「用途地域(ようとちいき)」が設定されていて、建築可能な高さに制限がかかっています。買主は用途地域を見ていて、三階建て以上が建てられない地域を好む人もいます。

震災が起こる日本では、地震に強い間取りも高評価です。

たとえば、以下を満たす間取りは地震に強いと言えます。

  • 壁量が多い
  • 直下率が高い

柱や壁の無い大空間や大きな窓が多い家は、壁量が少なくなります。設計の力量が不足してると、地震に弱い家になってしまいます。

壁量が足りてる家であっても、直下率が低いと地震の揺れに耐えられません。

直下率とは?
1階と2階の平面図を重ね合わせたとき、2階の柱や壁の下にそれを支える柱や壁が存在している割合のこと。熊本地震で注目されるようになった。

直下率については、こちらでも解説してます。詳しく知っておきたい方は、参考にしてください。

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配置計画

土地に対する家の配置も、売れやすさに影響します。

たとえば郊外で家を探してる買主にとっては、以下の2つはあって欲しいところです。

  1. 駐車場スペースが2台分以上ある
  2. お隣との境界から余裕をもって建ってる

若者の車離れが加速したりカーシェアリングが普及してきたとは言え、まだまだ世帯当たり平均1台以上の車を所有している都道府県が多いです。

ですから、駐車スペースが2台分ある家は売れやすいです。

ちなみに、平成31年3月末の世帯当たり車普及台数トップは福井県で1.736台です。最下位は東京都で0.432台です。

家は、お隣との境界から余裕をもって建ってるのが理想です。日照や風通しだけでなく、外壁メンテナンスがやりやすくなります。

逆に、お隣の敷地と距離をあけずに建ってる家は好まれません。

大手ハウスメーカーや大手デベロッパーの物件

ブランド力がある大手が建てた家やマンションは人気で、少し高くても売れやすいです。

どういったメーカーやディベロッパーが人気か、例をあげますね。

注文住宅の例

  • 積水ハウス
  • 大和ハウス
  • へーベルハウス
  • 三井ホーム
  • 住友林業

分譲マンションの例

  • 三井不動産レジデンシャル
  • 野村不動産
  • 住友不動産
  • 東京建物
  • 東急不動産

大手ハウスメーカーや大手デベロッパーの物件は、安心感があります。施工実績や知名度がない会社の物件より、以下のことが期待できます。

  • 施工精度
  • アフターサービス
  • 会社が倒産するリスクが低い

買主からすると「すぐに壊れたりしないか」とか「不具合が出たらすぐに修繕してくれるのか」気になるところです。

ですから、安心感がある大手の物件は「安心料」が上乗せされていても売れるのです。

高品質・高性能住宅

高品質高性能住宅も、売れやすいです。

たとえば、以下のような住宅が注目されてます。

  • 長期優良住宅
  • 気密・断熱・換気の性能が高い
  • 創エネ設備が付いている

長期優良住宅」は、家を買おうとお考えの方で知らない人はいないでしょう。

以下のような認定基準があるので「性能が高い家」の代名詞になってます。

認定基準の例

劣化対策 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
耐震性 極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること
維持管理の容易性 内装・設備について維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること
可変性 居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること
省エネルギー性 必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること

長期優良住宅は、税制面でも優遇されます。

たとえば住宅ローン控除は「最大年間30万円まで×10年」受けられます。(築20年以内の中古住宅が対象)

ナツダ
一般住宅の住宅ローン控除は「最大年間20万円まで×10年」です。満額控除されたら、長期優良住宅の方が100万円多く減税できます。

長期優良住宅は、築後25年経っても建築費の30%程度で売れるという話もあります。長期優良住宅認定制度は平成21年スタートなので、まだ実証はないですけど。

今までの家であれば、築後25年経つと家屋の資産価値はほぼゼロです。この差は大きく、売れやすいのも納得ですね。

気密・断熱・換気の性能が高い

高気密高断熱住宅は、以下のような特徴があります。

  • 保温能力が高い
  • 光熱費が下がる
  • 建築費がやや高くなる
  • 結露を防ぐためにシッカリとした換気性能が必要

気密・断熱の性能が高いと夏涼しく冬暖かい家になり、しかも省エネです。国の後押しもあり、関心が高まってます。

今、売れやすい家のひとつと言えます。

創エネ設備が付いている

高気密高断熱住宅と同じく、太陽光発電など創エネ設備が付いている家も人気です。

とくにZEH(ゼッチ)の認知度が高まっていて、エコロジーとエコノミーに関心がある人に人気です。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?
自宅で消費するエネルギー量より、自宅で創るエネルギー量が多い家。ZEHには断熱性能(エネルギーロスが少ない)、省エネ性能(省エネ機器やHEMSの導入)、創エネ性能(太陽光発電など)が必要不可欠。

これからZEHが主流になれば、一般的な住宅は売れにくくなります。

住宅業界は日進月歩なので、家を売ると決めたらモタモタしてないで早めに売る方がいいでしょう。

内装や外装がきれい

高品質・高性能とはややズレますが、もうひとつ「売れやすい家」をご紹介します。

内装や外装がきれいな家は、内見(内覧)のときに有利です。

たとえば以下の箇所は、汚かったり不潔感がないかしっかりチェックしておきましょう。

外装

  • 屋根
  • 外壁

内装

  • クロス(壁紙)
  • 床材
  • 水回り
  • 生活臭も内装の一部と考える

わざわざリフォームで新品に換える必要はありませんが、掃除はしておくべきです。汚れや不潔感があるなら、ハウスクリーニングを入れることも検討しましょう。

なお掃除ではなく修繕が必要なら、改修工事をした方がいいケースもあります。費用対効果で考えましょう。

ポイント

たとえば1000万円で売りたいけど、200万円の修繕工事が必要で買い手がつかない場合。修繕せずに100万円値引きで売れるなら、そっちの方がお得です。

売れにくい家とは、どんな家?

つづいて、売れにくい家について解説します。

売れやすい家の条件と真逆の家は要注意

以下にあげる条件の家は、売れにくいです。

売れにくい家

  1. 適正価格に比べ高すぎる
  2. 古い家
  3. 間取りが使いにくい、または特殊
  4. 駐車場がない
  5. 評判が悪い建築会社が建てた

相場より高い家は、注目してもらえません。不動産ポータルサイトで競合と比較されたとき、見劣りしてしまうからです。

ナツダ
これが一番大事。適正価格の範囲で売り出しましょう。

近代的かつ一般的な住宅は、古ければ古いほど売れにくくなります。

とくに、耐用年数を超えるとかなり不利です。金銭的な建物価値は評価してもらえず、買主に建物解体費用や新築代のことも想像させてしまいます。

目安として「法定耐用年数」を載せておきます。ただし、この数字は減価償却用なので「家の寿命」ではないことにご留意ください。

法定耐用年数

木造 22年
軽量鉄骨造 27年
重量鉄骨造 34年
RC造 47年

似たような理由で、大掛かりな修繕リフォームが必要な家も売れにくいです。

ナツダ
新耐震基準になる前に建った家も、建て替えか大規模リフォームが必要です。なので、売れにくいです。

間取りが使いにくい、または特殊な家も好まれません。

たとえば、以下のような間取りは内見(内覧)のときに不利です。

  • 収納が少なすぎる
  • 昼間でも照明つけないと暗い
  • 玄関開けたらリビングまで丸見え

ごくまれに風呂と洗面台とトイレが1室になってる「アメリカのバスルームスタイル」の家があります。あれも、日本人にはウケが悪いです。

なかなか売れない家がやるべきこと

さて、ここまで売れやすい家売れにくい家の条件を解説してきました。

もし「私の家は売れにくそう」と感じたら、ぜひ次の3つに取り組んでみてください。

売れにくい家がやるべきこと

  • 売れない理由をリストアップする
  • 売れる値段に設定する
  • 買ってくれる人をみつけてくる

まずは、ここまで説明してきたことをふまえ「売れない理由」をリストアップします。その中から、改善できるものは改善します。

どうしても改善できないことがあるなら、それを考慮して値段付けしましょう。たいていの家は、市況や状態にあった価格を付ければ売れます。

最後は、買主探しです。不動産屋の力を借りて広く全国に売出情報を届け、買ってくれる人をみつけましょう。

ナツダ
当たり前のことばかりですが、結局これが有効です。

売れない家の対処方法は、こちらでも解説してます。もっと知りたい方は、参考にどうぞ。

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これらのことを素人がひとりでやるのは、困難です。不動産屋の協力が欠かせません。

ですが、儲け優先で売主そっちのけの不動産屋もいます。以下の不動産屋は要注意です。

  • 売るためのアドバイスしてくれない
  • 複数の不動産ポータルサイトに売出情報を載せてくれない
  • 相場より安い価格に値下げするよう説得してくる

こんな不動産屋がパートナーでは、相場で売ることも期待できません。それどころか、囲い込まれてることも考えられます。

「おかしい?」と不信感を持ったら、媒介契約の期間が満了したら不動産屋を替えましょう。

「囲い込み」などの悪質な不動産屋の手口については、こちらで詳しく解説してます。読んでいただくと、だまされにくくなりますよ。

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まとめ

中古住宅には「売れやすい」と言われる条件があります。あなたの家にも当てはまる項目があるなら、そこを積極的にアピールしていきましょう。

アピールする場合は、どんな買主に伝わりやすいか考えましょう。

ナツダ
あなたの家はファミリーむき?シニア?それとも、DINKS?対象に合わせて伝え方を工夫するといいです。

一般的に「売れにくい」と言われる条件もあります。あなたの家にも当てはまる項目があるなら、改善できるものは改善しましょう。

どうしても改善できないときは、それをふまえて値段付けしましょう。適正価格に設定することが、売却の近道です。

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