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家を貸す流れを5ステップで解説!貸すか売るかどっちが得?

2015年12月9日

どうも、ナツダです。

今回は、家を貸すことについて考えてみたいと思います。

  • もくじ
  • ・家を個人に貸すときの流れ
  • ・家賃収入は税金がかかるので確定申告が必要
  • ・民泊とは?空き家で宿泊サービスを提供できる?
  • ・収支でみると売るか貸すかどっちが得?

それでは、さっそくいってみましょう。

家を個人に貸すときの流れ

さて、なかなか家が売れないと「こうなったら家を貸して家賃収入を取れないかな?」と思ったりします。

では、いざ貸すとなるとどういう流れになるのでしょうか?

順番に説明していきましょう。

1、不動産屋に賃料を査定してもらう

まず、不動産屋に賃料を査定してもらいます。もしかすると、管理も依頼することになるかもしれないので信頼できる不動産屋を選びます。

売買専門や管理専門の会社もあるので、賃貸に対応している不動産屋を探しましょう。

無料で賃料を査定してくれるサービスもあります。

2、不動産屋と契約

可能であればいくつかの不動産屋を比較したうえで、契約する不動産屋を決定します。家賃査定額だけでなく、入居者を探すためにどんな活動をするのかも確認しておきます。

査定額はあくまで目安です。大家も相場を確認したうえで、適正価格で入居者を募集することが大切です。高いと借り手が現れず、安過ぎたとしてもすぐに家賃を上げるのは難しいです。

入居者を探してもらう場合は媒介契約または代理契約を結びます。管理してもらう場合は管理契約を結びます。

媒介契約と代理契約の違い
媒介契約では、不動産屋が入居者をみつけてくるだけです。入居者の選別や賃貸契約は大家がおこないます。代理契約では、不動産屋が大家の代理となり入居者を選別・契約することができます。
大家にとって代理契約の方がラクですが、どんな入居者を希望するのかしっかり伝えておく必要があります。自分で入居者審査をしたい人は、媒介契約がいいでしょう。

不動産屋との契約では、不動産屋の指示に従い準備物をそろえます。一般的には、以下のものがあるとよいです。

  • ・図面(入居者募集用の資料を作るため)
  • ・住宅設備関連の書類(説明書など)
  • ・スペアキー(案内で使う)
  • ・印鑑
  • ・マンションは管理規約

遠方に引っ越すなどの理由で家の定期チェックができないときは、必ず管理委託の契約も結びましょう。とくに空き家で放置すると、無人の家は老朽化が早くなります。安全管理上もよくありません。

3、入居者を探してもらう

不動産屋と契約したら、貸出条件を決定してさっそく入居者を探してもらいます。

たとえば、以下のようなことを決めておきます。

  • 貸出条件
  • ・契約形態(普通借家契約か定期借家契約)
  • ・敷金礼金
  • ・契約期間(一般的には2年更新が多い)
  • ・保証方法(保証人を立ててもらうか保証会社を使ってもらう)
  • ・保険の加入条件(借家人賠償責任保険)
  • ・鍵の交換(交換のタイミングと費用負担)
  • ・退去時の原状回復義務の範囲
  • ・ペット、タバコ、楽器などの制限
  • ・入居者の人数や性別

普通借家契約では、原則的に大家から更新を拒むことができません。期間を限って貸したいときは定期借家契約を選びますが、普通借家契約の物件に比べて賃料が下がる傾向があります。

大家は次のような準備も進めていきます。

  • ・引っ越し
  • ・家の掃除や必要に応じて修繕
  • ・ガスを止める(電気と水道は止めなくてもOK)
  • ・火災保険

入居希望者が現れたら、不動産屋が内見(実際に家を見に来る)などの対応をしてくれます。

大家は入居希望者を審査して、貸すかどうか決めます。

4、入居者と契約を交わす

入居者が決まったら、契約に関する重要事項の説明をしたうえで契約を交わします。

重要事項説明とは?
賃貸契約では、住宅設備の状況、契約期間および更新、利用にかかる制限、敷金や契約終了時の清算について、管理を委託するときは受託者名などが説明されます。

重要事項の説明や契約書の作成は不動産屋がやってくれます。大家は内容を確認したうえで、契約書に押印します。

契約書は2部作られ、一般的には大家と入居者双方が1部ずつ保管して不動産屋が控えを取っておきます。

5、賃貸を開始して管理をおこなう

引き渡し日にカギを渡して賃貸を開始します。

引き渡しのときに大家が立ち合い、物件の状態を入居者と確認しあうこともあるようです。その方が、退去時の原状回復でトラブルになりにくいからです。

入居者の原状回復義務の範囲
退去時に入居者が回復する必要があるのは、入居者の過失による破損や傷、汚れなどです。経年劣化や自然損耗によるものは、大家がメンテナンスします。たとえば、普通に生活して汚れた壁紙は、大家の責任で貼替るということです。

入居者が住み始めたら、大家は次のような管理業務を行うか管理委託した不動産屋に代行してもらいます。

  • ・入居者からのクレーム対応
  • ・住宅設備トラブルの対応
  • ・家賃の集金
  • ・契約更新
  • ・整備作業(庭など)

大家にとって厄介なことのひとつが家賃滞納でしょう。まんがいち滞納されたら、根気よく支払いを求めていくしかありません。

あまりにも滞納がひどいと退去してもらいたくなりますが、相当面倒な手順をふまないと強制退去を求めることができないのです。

  • 強制退去の手順
  • 1、入居者を訴える(訴状を送る)
  • 2、入居者が答弁書を提出(入居者側の主張を述べる)
  • 3、裁判をして建物明渡の判決が確定する
  • 4、裁判所に建物明渡の強制執行を申し立てる
  • 5、期限を決めて入居者に明け渡しを催告する
  • 6、期限までに出ていかない場合は強制的に退去

不動産屋に管理委託していたとしても、最終的に大家が判断して対応しないといけないことが多々出てくるでしょう。そういうことの運営がちゃんとできるのか、しっかり考えたうえで家を貸すべきですね。

家賃収入は税金がかかるので確定申告が必要

家賃収入があると、記帳と所得の確定申告をする必要があります。

課税対象 不動産収入から必要経費を引いた分
課税期間 1月1日~12月31日
申告期間 翌年の2月16日~3月15日まで
申告場所 住所地を管轄している税務署
納税期限 3月15日まで

不動産収入と経費には、以下のものが含まれます。

不動産収入に含まれるもの

  • ・家賃
  • ・更新料
  • ・礼金
  • ・管理費(電気代、水道代や掃除代など)
  • ・敷金や保証金のうち返還する必要がないもの

必要経費として認められるもの

  • ・固定資産税、都市計画税
  • ・収入印紙代
  • ・建物や設備の経年による価値減少相当額
  • ・損害保険料(掛け捨てのもので、その年分のみ)
  • ・管理委託した不動産屋の管理手数料
  • ・入居者募集のための広告宣伝費
  • ・税理士報酬で不動産賃貸にかかるもの
  • ・その他賃貸経営で生じた旅費や通信費など

記帳も確定申告も、簿記の知識がないとなかなか気が重い作業になります。費用がかかりますが、税理士に任せてしまうのも手ですね。

民泊とは?空き家で宿泊サービスを提供できる?

さて、にわかに「民泊」が注目ワードになっていますが、空き家になったわが家を活用することはできるのでしょうか?

2016年6月20日。観光庁と厚生労働省は、有識者による「『民泊サービス』の在り方に関する検討会」で新法制定に向けた最終報告書をまとめました。これを受けて、政府は関連法案を2016年度中に提出する予定です。

民泊サービスの在り方に関する検討会
写真:日経アーキテクチュア「民泊『日数制限』は先送り、新法制定へ最終報告」

まだどうなるかわかりませんが、今の流れでいくと旅館業法に従って簡易宿所の許可を取らなくても、住宅扱いのまま宿泊サービスを提供できるようになります。

ちなみに、民泊は「家主居住型(ホームステイ)」と「家主不在型」の2つに分類されるそうです。

家主居住型(ホームステイ)
住宅提供者が住宅に住みながら当該住宅の一部を利用者に貸し出す。外国人との交流などを目的に始める人が想定される。
家主不在型
住宅提供者が住んでいないか、サービスの提供日に外出している場合。空き家の所有者や長期出張中の人が想定される。

民泊として住宅を活用するには、行政庁への届出や利用者名簿の作成・備え付け、標識掲示などが必要になります。また、家主不在型は行政庁に登録している管理者に管理を委託しなければならないとされています。

他にも、住宅を提供できる日数(最終報告では年間180日以内)や一度に宿泊できる人数の制限が儲けられそうです。法令違反が疑われると、行政の立ち入り検査もあるとか・・・。

むむっ・・・家主不在型の民泊は「初期費用・ランニングコスト・運営の手間」を考えると割に合わないし儲かりませんね。

ホテルや旅館業界からは「儲けたいなら簡易宿泊所の許可を取れ!」と意見が出てるそうです。ごもっとも。

収支でみると売るか貸すかどっちが得?

家を売る場合と貸す場合、収入と支出はどう変わるのでしょうか?表にして比較してみましょう。

項目 売る場合 貸す場合
収入
  • ・家の売却代金
  • ・賃料、敷金礼金
  • ・更新料
支出
  • ・住宅ローン返済
  • ・仲介手数料
  • ・諸費用
  • ・入居前の修繕費
  • ・退去時の修繕費
  • ・トラブル対応費用
  • ・管理委託費
  • ・仲介手数料
  • ・固定資産税、都市計画税
  • ・住宅ローン返済

これをふまえて、メリットとデメリットを表にすると以下のようになります。

項目 売る場合 貸す場合
メリット
  • ・売却代金が入る
  • ・資産価値下落の心配無し
  • ・管理の煩わしさが無い
  • ・家賃収入が入る
  • ・将来また住める
  • ・地価が上がると得する
デメリット
  • ・売ったら最後戻れない
  • ・地価が上がると損する
  • ・売却時にローン残ると自己資金で充当が必要
  • ・管理の手間がかかる
  • ・借り手が付かない可能性も
  • ・家賃収入は確定申告が必要
  • ・ローン借り換えが必要かも

住宅ローンは本人が居住している住宅に適用されるので、賃貸に出すと事業用ローンへの借り換えを迫られます。ときどき金融機関の巡回もあるそうですので、内緒で貸しても表札などからバレるリスクがあります。

まとめ

大家業は片手間でできる仕事ではありません。日々のメンテナンスやトラブル解決を自分でやるか、お金で業者を雇って管理してもらう必要があります。

「すぐに借主が見つかるか?」という心配もあります。家は住人がいないと老朽化しやすくなり、空き家は不用心でもあります。放置してさらに建物の資産価値が落ちたら目も当てられません。

今後法整備が進めば空き家を民泊として貸し出すノウハウも出来上がっていくでしょうが、現状では積極的に「民泊やりたいな!」とも思いにくいです。

真剣に賃貸経営ビジネスをしたい人以外は、思い切って売った方が精神上も手間もラクではないでしょうか。

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