どうも、ナツダです。
今回は、住宅ローンを払えない場合について考えてみたいと思います。
- もくじ
- ・住宅ローンが払えないくなる人の割合
- ・住宅ローンが残ってる家は売ることができない?
- ・返済が苦しくなる前に!月々の返済額を減額する方法
- ・住宅ローンが払えないときの相談は誰にすればいい?
では、さっそくいってみましょう。
住宅ローンが払えないくなる人の割合
そもそも、世の中に住宅ローンが払えなくなる人はどれぐらいいるのでしょうか?
住宅ローンを返済中の人で「今月も家計が苦しいな・・・くそ、住宅ローンめ・・・」と実感されている方は多いでしょう。
そういう主観は計れませんが、三井住友トラスト基礎研究所から以下のような資料が出ていて「住宅ローンの延滞率とデフォルト率」がわかります。
参考 住宅購入価格は年収の「5倍」が一般的に(PDF)
- 住宅ローンの延滞率とは?
- ローン残高全体に占める延滞債権の比率。
- デフォルト(貸倒)率とは?
- 長期延滞などの理由で、当月に繰上償還請求された貸倒債権の比率。
この調査によると2014年の延滞率は1.47%で、デフォルト率は0.35%です。返済が滞ったり、払えなくなる人はそれほど多くありません。
それよりも気になるのが返済負担率(DTI)です。
- 返済負担率(DTI)とは?
- 収入に対する返済額の割合。以下の式で計算する。
返済負担率=(全てのローン返済額 ÷ 12)÷(世帯の年収合計 ÷ 12)
返済負担率を計算するときは、住宅ローンだけでなく全てのローン返済を含めることがポイントです。カーローンもスマホ本体の分割支払いも入れます。
同じ資料では、返済負担率が「25%を境にして、住宅ローンのデフォルト率は2倍近く上昇する傾向」と書いてあります。
全てのローンの年間返済額が世帯年収の4分の1を超えるようなら、ローン返済額を減らすか収入を増やすことを検討した方がよいようです。
住宅ローンが残ってる家は売ることができない?
住宅ローンの支払いが苦しくなってきた人に、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。それは「住宅ローンが残ってる家はそんなに簡単に売れない」ということ。
「もし住宅ローンが返せなくなったら、家を売ったらいいや」と安直に考えてはいけません。
原則的に借りている住宅ローンを全部返さないと金融機関が売却を許してくれません。
「売ったお金で返せばいい」と思われるかもしれませんが、築年数が浅い物件は値下がり額が大きく、売っても住宅ローンの残債を返しきれないことがあります。
参考 価値総合研究所「住宅の資産価値と住宅ローンのリスク」(PDF)
上の資料では、築10年から15年ぐらいの物件でオーバーローンになりやすいと試算しています。
- オーバーローンとは?
- 不動産物件の資産価値より、住宅ローンの残債額が上回る状態。オーバーローン状態で家を売るには、完済に足りない分を自己資金でまかなう必要がある。
だんだん家計が苦しくなってきているのに解決策を考えず「気付いたらにっちもさっちも行かなくなってた・・・」なんてことにならないように早めに手を打ちましょう。
返済が苦しくなる前に!月々の返済額を減額する方法
住宅ローンは、一回借りてしまったらずっと同じ条件で払い続けないといけない訳ではありません。住宅ローンの返済が苦しくなる前に見直しをしておきましょう。
たとえば、以下のような方法で返済額を減額したり返済期間を短くすることができます。
- ・借り換えと金利下げ交渉
- ・繰り上げ返済
それぞれ、もう少し詳しく解説します。
借り換えと金利下げ交渉
借り換えとは、今借りている銀行から他の銀行の金利が低い住宅ローン商品に乗り換えることです。以下のメリットがあります。
- 住宅ローン借り換えのメリット
- ・金利が下がる
- ・月々の支払額を下げることができる
- ・住宅ローンの総返済額が減る
借り換えでは、以下のような費用がかかります。
- 借り換えで必要な諸費用
- ・元の銀行に払う繰り上げ返済手数料
- ・新しい銀行に払う住宅ローン手数料
- ・保証会社に払う保証料
- ・登記費用(司法書士報酬や登録免許税など)
- ・印紙代
この費用はおよそ新規借入額の2%~3%ぐらいかかります。たとえば、2,000万円を借り換えるのであれば、40万円から60万円程度の諸費用が必要ということになります。
借り換えにはけっこうな費用がかかるので、目安として借り換えでメリットが出るのは「残債1,000万円以上、残支払い期間10年以上、借り換えによる金利差1%以上」と言われています。
なかなか借り換えはハードルが高いので、あわせて検討したいのが「金利下げ交渉」です。
たとえば、今あなたが金利1.5%で住宅ローンを借りているとします。そして、他銀行で借り換えの仮審査をしてもらい金利1.0%でOKをもらえたとします。
そこで、今借りている銀行に「他行の借り換えで金利1.0%にしてもらえそうなんですが、おたくの金利を1.0%まで下げることはできないですか?」と交渉するのです。
金利下げ交渉に成功できたら、諸費用はほとんど要りません。たとえ金利差が0.1%でも、メリットが出ます。
繰り上げ返済
繰り上げ返済は、決められた月々の返済額に追加して返済する方法です。返済額低減型と期間短縮型があります。
3,000万円を「返済期間30年・金利1%」で借りて、5年後に100万円を繰り上げ返済した場合で比較してみましょう。
- 返済額低減型の例
- 月々返済額:96,491円 → 92,840円
残返済期間:25年 → そのまま
総返済額:34,736,908円 → 34,601,301円 - 期間短縮型の例
- 月々返済額:96,491円 → そのまま
残返済期間:25年 → 23年11ヶ月(-1年1ヶ月)
総返済額:34,736,908円 → 34,455,488円
繰り上げ返済することで、利息を低減させる効果があります。返済額低減型を使うと、毎月の返済額を少なくすることができます。
定年後のローン返済が心配と言う方は期間短縮型がおすすめです。完済日を前倒しできるうえに、総返済額を大きく圧縮できます。
住宅ローンが払えないときの相談は誰にすればいい?
さて、住宅ローンが苦しいとき、誰に相談すればいいでしょうか?表にしてみてみましょう。
深刻度 | 相談できる人 | 検討内容 |
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今は返済できるけど将来危ない |
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借り換えしても無理かも・・・ |
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ローン返済が滞り始めた |
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競売にかけられそう |
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任意売却したあとの残債が払えない |
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もし「あと少し月々の返済額が下がれば、なんとかやっていける」ぐらいのレベルであれば、まだ借入先の銀行には相談しない方がいいでしょう。返済が苦しいことを銀行に知られると、借り換えや金利交渉ができなくなります。
少しぐらい月々の返済額が下がっても返済していくのが難しいようなら、いよいよ銀行に返済期間延長や返済休暇(一時的に元金の返済をゼロにする)ができないか相談していくことになります。
ちなみに、住宅ローンを滞納し続けるとどうなるか知ってますか?ザックリと説明すると、以下のようなことが起こります。
- 1、住宅ローンを滞納し続けると、借入先の銀行から督促状が届く
- 2、それでも滞納を続けると、銀行が保証会社に代位弁済を請求
- 3、保証会社があなたの代わりに住宅ローンを肩代わりして完済
- 4、銀行に代わり保証会社からの債権回収が始まる
- 5、さらに滞納すると、競売や任意売却の道を探ることになる
任意売却とは?
競売は現金化までに時間がかかるうえ、一般的な不動産売却方法より安くなります。そこで、任意売却専門家の仲介により債権者と債務者の調整を行い、市場価格で担保不動産を売却することを任意売却といいます。
任意売却の専門家をみつけるときは、以下のような職種から探します。
- ・不動産屋
- ・任売却専門の仲介業者
- ・行政書士
- ・弁護士
任意売却専門の仲介業者とは、たとえば以下のような業者です。
任意売却で売ったお金を返済にあててもまだ住宅ローンが残る場合は、保証会社や債権回収会社と相談して毎月返済できる金額を返していくことになります。
まとめ
リストラ、勤め先の倒産、離婚、病気、事故など。突然のできごとに住宅ローンが払えなくなることがあるかもしれません。
そんなときは、できるだけ早い段階で適切な対処をしていくことが肝心です。
傷が深くなればなるほど、解決策が減っていきます。気が付いたら「もう、家を売るしかない」とか「売っても住宅ローンが残る」という事態にならないようにしたいですね。
完全に住宅ローンが払えなくなったら、信頼できる専門家に相談しながら1万円でも高く家を売って少しでも残債を減らしましょう。競売は避けたいところです。