どうも、ナツダです。
「親の家を片づける」という本を読みましたので、感想を書きたいと思います。
この本は、どのように親の家を片付けたか、15組の人たちの実例をもとに書かれています。
子供たちが片付けた例もあれば、親が自ら片付けた例もあります。
私も、祖父母が暮らしていた空き家を両親や伯父伯母と一緒に四苦八苦しながら片付けた経験があります。ですので「そうそう!」とか「あっ、そういう方法もあるのね」と記憶を呼び起こしながら読みました。
これから親の家を片付ける人には、とても参考になる本だと思います。
親は自分で片付けることができなくなっている
この本に出てくる15組のケースの中には、親が生前からコツコツ身辺整理をした例も載っています。
しかし、ほとんどのケースでは子供と協力して片付けるか、親が亡くなったのちに子供たちだけで片付けています。
若いころは整理整頓が得意だった人も、年老いると収納に物を詰め込み、日ごろ使っているものは手の届く範囲に積み上げてしまうのです。
結果として押入れや戸袋に引き出物でもらった新品の茶碗があるのに、いつも茶渋がついた汚い茶碗ばっかり使ってる・・・ということが起こります。
認知症でなくても、老化のために判断力が低下し、モノの管理がこれまでのようにできなくなってしむことがあるからです。そんな状態で片付けを促したところで、らちはあきません。誰かの助けや協力が必要です。
コラム4より引用
親の若かりし日を知っているだけに「なんで、こんな簡単な片付けもできないの!?」と腹立たしく感じることもあるでしょうが、年老いた親の「体力・気力・判断力」はもはや若いころと比べて著しく低下しているのです。
モノが捨てられない親と子
親と一緒に片付け始めたケースでは、たいてい子供たちが「物が捨てられない親」に悩んでいます。
中には、物を捨てようとすると涙ぐんだり、捨てた物をゴミ収集所からこっそり持ち帰る親の姿も描かれていました。
そこで片付けをいったん中止したり、捨てる捨てないの判断を保留したりしたところ、時間が経つにつれて処分できるようになったケースもあるようです。
最初は「思い出があるから処分できない」と首を決して縦に振らなかったお母さんでしたが、リフォーム後、部屋にあふれたものを見て初めて、モノの処分が必要であるということを納得してくれました。
子どもから言われて無理やりモノを処分するのでは、親には不満だけが残ってしまいます。一方、納得してモノを手放すということは、親が自分に残された時間と能動的に向き合い、自分自身でモノを取捨選択できたということにほかなりません。
ケース2より引用
捨てられないのは親ばかりではありません。親の遺品を整理する子どもも処分できず困るケースがあります。
思い出の品を処分するという行為は、心の負担になりました。
ケース5より引用
大切なモノや捨てたら二度と手に入らないモノは、処分するとき心が痛みます。そんなときは、親も子も無理せずまず心を整理することが大切です。
モノは、その人が暮らしてきた日々を物語るもの。手に取った瞬間、思い出があふれ、処分の決心がつかないものもあるはずです。今後、使う可能性が無くても、ゴミ袋にいきなり入れるのに抵抗を感じるものがあるかもしれません。それらはとりあえず保留に。
最初はあれもこれも保留したいと思っても、片づけが進むにつれて心の整理も進み、処分する決心がつくことも多いようです。
「第6章 これだけは覚えておきたい『親の家の片付け』の基本ルール」より引用
借家などで片付けのタイムリミットがある場合は、とりあえず保留品を別の場所に送ってあとから判断するという方法もあります。
面倒かもしれませんが、親の家の片付けは儀式のようなものです。手間がかかっても、心の整理の進捗に合わせて進める方がよいと思います。
兄弟姉妹の協力が得られない
親の家の片付けでは、長男や長女がひとりで片付け、他の兄弟や姉妹が手伝わないケースもあるようです。
長男や長女はずっと兄弟姉妹を守り助けるような生き方をしてきた人も多く、他の兄弟や姉妹からすると面倒なことを片付けてくれる存在になっているのかもしれません。
しかし、遺品整理は相続の問題もからんでくるので、できるだけ兄弟姉妹とともに片付けた方がトラブルを回避できます。
いざという時のために日ごろから「まんがいちのときは、親の家を一緒に片付けよう」という雰囲気作りが大切です。
兄弟姉妹から「そちらでやてほしい」と言われたときにも、「何か欲しいものがありますか」と聞いておきます。「まかせてもらうなら、あとで文句は言いっこなし」ということも伝えておきます。
不用品の処分などに費用も生じます。その費用分担はどうするのかということも話し合ってください。
「親の家の片づけ 心得7か条」より引用
一方で義姉と一緒に片付けをして、関係が深まったというケースもありました。
「ひとりでは片づけられないけれど、手伝ってくれる人がいると、がんばれる」という意見も書かれていました。
親の家の片づけは本当に大変な作業です。経験上、私も「できるだけ兄弟姉妹と一緒に作業することが望ましい」と思います。
まとめ
「親の家を片づける」は、片づけを行った人々の心の葛藤や問題をどうやって乗り越えたかが書かれています。
ノウハウ本という体裁ではありませんが、実例から参考にできることがたくさんあります。
これから親の家を片づける人が読めば、心構えや準備ができるのではないでしょうか。