どうも、ナツダです。
今回は、空き家を解体するときに使える補助金について解説したいと思います。
それでは、さっそくいってみましょう。
木造老朽建築物除却事業とは?
特定空家の一件で、売れない空き家を放置している方は「この際、解体した方がいいのか?」と悩まれているのではないでしょうか?
でも、解体するとなると費用がかかるし、固定資産税の増税も心配ですよね。
実は、国や市町村が要件に当てはまる空き家に対して、解体費用の助成を行っています。そのとき、利用するのが「木造老朽建築物除却事業」という制度です。
- 木造老朽建築物除却事業とは?
- 耐火性能や耐震性能が低い老朽木造住宅を対象に、延焼や倒壊を防ぐために早期改善を図る事業。対象住宅の要件や助成金額は自治体によって違う。
この制度を利用すると国と市町村が補助金を出してくれるわけですが、市町村の助成制度は全国一律ではありません。各自治体の担当課やホームページで確認する必要があります。
一方、国の方は以下のようになっています。
交付対象 | 木造老朽建築物の除却に係る調査費、設計費、工事費 |
---|---|
交付率 | 1/3(地方公共団体の補助に要する費用の1/2又は当該事業に要する費用の1/3のいずれか低い額) |
除却の規模 | 除却する木造老朽建築物の敷地の面積が100m²以上であること |
除却後の土地利用 |
|
自治体によっては国と市町村併せて「解体費用の3分の2」まで補助金が出ます。
たとえば、解体費用が120万円であれば自己負担は40万円で済むので、かなり助かりますね。(ただし、上限を設けている市町村が多い)
空き家の解体をご検討でしたら、一度「市町村名 + 木造老朽建築物除却事業」で検索してみてください。助成が受けられるかもしれません。
空き家再生等推進事業とは?
もうひとつ、空き家再生等推進事業というのも補助金が出ます。
- 空き家再生等推進事業とは?
- 適正管理がなされていない空き家が増加していることから、市町村では「空家等対策計画」を作成し対策を実施している。
- 「空家等対策計画」で定められた対象地域の空き家は、家屋や土地を地域活性化のために提供することを条件に改修または解体費用を補助してもらえる。
こちらの助成事業は、解体後の跡地を地域活性化のために提供することが条件になっています。
参考 国交省「空き家再生等推進事業」(PDF)
その代り補助してもらえる金額が大きく、最大で国と市町村併せて5分の4まで助成してもらえます。
東京都文京区の例をみてみましょう。
文京区の空き家等対策事業
- 概要
- 事業対象の認定を受けた所有者等に空き家等の除却費用を補助することにより、除却の促進及び跡地の有効活用を行います。
- 交付額
- 補助金の交付額は、200万円(消費税含む)を上限として、除却に要した費用を交付します。
- 跡地の活用について
- 跡地については、所有者と区で土地使用貸借契約を締結し、原則10年間、区が無償で借り受けます。活用策については、区が、その地域、周辺環境に見合った活用方法で、かつ、その土地の面積や形状、前面道路幅員などの条件から実現可能なものを検討し、決定していきます。
他の自治体も似たような感じです。
しばらく空き家を活用する予定がないのであれば、検討してもいいのではないでしょうか。
空き家を解体したら固定資産税は上がる?
住宅用地は固定資産税が優遇されていて、非住宅地と比べると最大6分の1程度になっています。
まんがいち特定空家に指定されたり、もしくは空き家を解体してしまうと、残った土地は非住宅地になります。
ただし、非住宅地も固定資産税評価額の70%で計算していいので、解体したからといって固定資産税が6倍になるということはありません。
最も増税になるようなケースでも、3~4倍程度の上昇です。
もし、今支払っている家の固定資産税が土地の固定資産税より3倍以上高ければ、更地にした方が結果的に安くなる場合もあります。
たとえば、家屋の評価額が500万円、土地(200m2未満)の評価額が900万円の場合で固定資産税を比較してみましょう。
状態 | 空き家 | 解体後 |
---|---|---|
家屋の固定資産税 | 7万円 | 0円 |
土地の固定資産税 | 2.1万円 | 8.82万円 |
固定資産税の合計 | 9.1万円 | 8.82万円 |
上の例では、解体後の固定資産税の方が2,800円安くなりました。
ただし、一度解体してしまうと再建築できないエリアもありますので、注意が必要です。
まとめ
適切な管理ができない状況で空き家を放置し続けると、行政代執行により強制解体になることもあります。
もちろん突然ではなく「助言 → 指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行」と段階を踏んでから強制解体になるわけですが、勧告無視で固定資産税が増税になり、命令無視で50万円以下の過料に処せられます。
さらに解体費用も請求されるので、そんなことになる前に適切な管理を行うか、補助金を使って解体することを検討してはいかがでしょうか。