どうも、ナツダです。
今回は、家を売るときの査定のポイントについて解説したいと思います。
では、さっそくいってみましょう。
不動産屋が家を査定するときのポイントは?
わが家を売ったとき、私は合計5社の不動産屋に査定を依頼しました。そのとき不動産屋がどこをチェックしたか、まとめてみたいと思います。
1、家の基本情報に関すること
- ・所在地
- ・建物の構造(在来工法やツーバイフォーなど)
- ・延べ床面積
- ・築年月
- ・耐震基準の適合性(旧耐震や新耐震、2000年耐震など)
- ・基礎の種類(布基礎やベタ基礎など)
家の基本情報は、設計図書(図面)および契約書(不動産売買契約書や建築工事請負契約書など)やヒアリングで確認されます。
建築基準法の耐震基準は大別すると「1950年施行の旧耐震基準、1981年改正の新耐震基準、2000年改正の耐震基準」の3種類あります。築年月から、どれぐらいの耐震性があるか判断できます。
基本情報は主に物件資料作成のときに活用されるのと、査定額にも影響します。
2、建物の性能やグレードに関すること
- ・屋根や外壁のグレード
- ・建材のグレード
- ・内装や設備の状況
- ・修繕履歴
建物の性能やグレードは、査定額に直結します。設計図書や目視、ヒアリングで確認されます。
修繕や維持管理の状況が良いと加点されます。適切なリフォームが行なわれていなかったり、維持管理状況が悪いと減点です。
施工会社のメンテナンスプログラムにもとづく修繕記録があると、一定の維持管理がなされていると判断されます。
3、家の付加価値や第三者評価に関すること
- ・建築確認通知書や完了検査済証があるか
- ・長期優良住宅かどうか
- ・住宅性能評価
- ・フラット35Sの適合性
- ・施工会社や住設メーカーの保証内容
- ・省エネ設備(LED照明や高効率給湯器など)
- ・創エネ設備(太陽光発電やエネファームなど)
- ・ホームセキュリティ設備
建築確認通知書や完了検査済証は必ずあるべきものですが、違法建築で完了検査を受けずにずっと建築中の扱いにしてある家があります。そういう家は、家屋の評価が低くなります。
長期優良住宅や住宅性能評価は設計図書や適合証明書で確認されますが、取得していない住宅もあります。高性能住宅に対して優遇金利が適応されるフラット35Sも同様です。
長期(10年)の瑕疵保証書やホームインスペクション(住宅診断)事業者が発行した保証書があると加点の対象になります。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。
付加価値のある設備は設計図書や目視により確認されます。
4、土地の状況に関すること
- ・境界の状況
- ・周辺施設(スーパー、学校、病院など)
- ・駅までの距離
- ・日照の状況
- ・前面道路や隣家との高低差
- ・外構の状況(庭や駐車場、家の外周りなど)
土地の状況に関しては、少しヒアリングされる程度です。基本的には、不動産屋が勝手に調べてくれます。
査定額を上げる方法
さて、上で挙げたような査定で評価されるポイントを見ていると、何となくどうしたら査定額が上がるのか見えてきます。
評価ポイントの大半は、今さらどうしようもないことです。何か加点になることができるとすれば、それはリフォームや修繕ではないでしょうか。
とくに、以下の箇所の維持管理ができていると査定額アップにつながります。
- 査定額が上がりやすい維持管理項目
- ・耐震補強(最新耐震基準に対応)
- ・屋根(葺き替え、再塗装など)
- ・外壁(ヒビ割れ補修、再塗装など)
- ・クロス(貼り替え)
- ・住宅設備(取り換え、修繕など)
- ・太陽光発電(取り付け、取り換えなど)
- ・高効率給湯器(取り換え)
- ・ホームセキュリティ設備(取付)
- ・建築化照明(LEDに取り換え)
- ・防蟻処理と保証(再施工)
- ・その他、故障個所の修繕
上の項目を見ていただくとわかるとおり、どれも大きな費用がかかります。
じつは、リフォームや修繕にかけた費用以上に査定額が上がることは、ほとんどありません。
査定額を上げるためだけに付け焼刃の維持管理をすることは、あまりオススメできません。
掃除は査定額アップにつながるか?
結論から言うと、査定前に掃除をしておくことが大きな査定額アップにつながることはないです。
なぜなら、不動産査定は掃除のような上辺だけのことではなく、住宅の基本性能や建材のグレードおよび維持管理を見られるからです。
ですが、掃除しても意味がないわけではありません。(むしろ、やるべきです)
- 売却する家を掃除するメリット
- 売却する家を掃除しておくと、見た目や匂い、雰囲気が改善します。その結果、家の印象が良くなります。印象がよい家は内見(買主が見に来る)で活躍してくれて、早期売却につながります。
これはリフォームにも言えることです。かけた費用分以上に査定額が上がらなくても、リフォームしておくことで早期売却につながるケースもあります。
ただし、築年数が古い家は、解体するか現状渡しの方が売れやすい場合もあります。なぜなら、建て替えを前提に古家付きの土地を探している人がいるからです。
査定前にきっちり資料を準備しておく
せっかく加点ポイントがあるのに、査定のときに見逃されるともったいないです。
たとえば、フラット35Sの適合基準をクリアしていたとしても、適合証明がなければ不動産屋は気づいてくれません。
査定額に影響する書類は、査定前に全て準備しておきましょう。
- 査定前に準備しておきたい書類
- ・建築確認通知書
- ・完了検査済証
- ・長期優良住宅適合証 (※1)
- ・住宅性能評価書 (※1)
- ・フラット35S適合証 (※1)
- ・長期(10年)瑕疵保証書 (※1)
- ・ホームインスペクション保証書(※1)
- ・地盤保証書 (※1)
- ・防蟻処理保証書 (※1)
- ・その他、住宅性能を評価した資料
※1 制度やサービス利用者のみ
査定額が低いときの対処方法
さて、査定してみたものの査定額が低い場合はどうしたらいいでしょうか?
さきほど申し上げたとおり、リフォームや修繕をしたところで使った費用以上の査定額アップは望めません。
そんなときは、まず相場をチェックします。そして、査定額が明らかに相場より低いときは、追加で数社の不動産屋に査定を依頼します。
相場どおりの査定額が出たら、少し高めから売り出してみましょう。そして、初めから値下げの計画をしておくのです。
たとえば、相場が2,000万円なら以下のような値下げ計画を立てておきます。
- 売れなかったときの値下げ計画の例
- ・1か月目 → 2,100万円
- ・2か月目 → 2,050万円
- ・3か月目 → 2,000万円
不動産屋が出す査定額は、あくまで参考価格です。売り出し価格は売主が決めてもいいので、納得のいく価格設定をしましょう。
まとめ
不動産査定のポイントにはいろいろな項目があり、不動産屋によっても評価方法が違います。
複数の不動産屋に査定を依頼すると、最低額と最高額で10%以上差があることもめずらしくありません。少なくとも3社以上に査定依頼して、査定額の根拠を聞いてみるといいです。
査定額を上げるためには日ごろからのメンテナンスが大切で、にわかにリフォームや修繕をしても費用対効果がよくありません。
ただし、リフォームや掃除は早期売却につながるケースもあるので、契約した不動産屋と相談しながら実施することをオススメします。