マンションって、売るときにどれぐらい諸費用が要ると思います?
じつは、けっこう要るんですよ・・・。
諸費用をふまえて売却しないと、大変なことになりますよね。
住宅ローンが完済できない!とか、住み替えの費用が足りない!とか。
今回は、マンション売却の諸費用について解説します。
売り出す前に覚えておいて欲しいことばかりです!参考にどうぞ。
では、さっそく説明していきますね。
マンションを売却するとき必要な手数料と諸費用
マンションを売るときに必要な諸費用や手数料は、人により違います。
誰でも必要なのは、契約書に貼る印紙代ぐらいでしょうか。
ここでは、主なも5つの項目について説明します。
- リフォームや修繕、ハウスクリーニング費用
- 不動産屋に払う仲介手数料
- 売買契約書に貼る印紙代
- 住宅ローンの清算費用
- 引っ越し費用、仮住まい費用
順番に、もう少し詳しく説明していきますね。
リフォームや修繕、ハウスクリーニング費用
内装や住宅設備の老朽化が激しい場合は、リフォームが必要かもしれません。
故障している場合は、修繕しておかないと買い手がつかないケースもあります。
では、リフォームや修繕に費用をかけると、売却額はどうなるのでしょうか?
費用分を上乗せできるのでしょうか?
これは、ちょっと厳しいです。上乗せできても、一部ですね。
あくまで「早く買い手が付くようにやる」と割り切りが必要です。
信頼できる不動産屋と相談しながら、施工するかどうか決めた方がいいですね。
掃除は、必ずやるべきです。
特に、水まわりの掃除が重要です。
水まわりが汚いと、臭いの原因になったり内覧で不利になります。
プロのハウスクリーニングを利用するのも、良い方法ですね。
ライバルや市況もチェックしつつ、判断することが大切です。
余談ですが・・・。
2018年から、不動産屋は買主に対してインスペクションの提案が義務付けられます。
- ホームインスペクション(住宅診断)とは?
- 住宅診断の専門家(ホームインスペクター)に、第三者的かつ専門的に住宅の劣化状況を評価してもらうこと。
今後、不動産屋は買主に「インスペクションやる?」と、必ず聞くことになります。
買主が住宅診断を入れてきた場合、不備が発見されたら改善費用が必要になります。
もしくは、改善せず値下げ交渉になるかもしれません。
つまり、新築より中古物件を選ぶ人が増えるかも?と期待できるということです。
歓迎したい反面、当事者になったら懐(ふところ)探られるようでチョット嫌ですね・・・。
不動産屋に払う仲介手数料
これは、諸費用や手数料の計算で絶対に外せません。
一番費用がかかるのは、コレでしょうです。
仲介手数料は、以下の式で計算できます。
- 仲介手数料の計算方法
- 仲介手数料(税別) = マンション売却価格の3% + 6万円
目安を表にすると、こんな感じです。
売却価格 | 仲介手数料(税別) | 売却価格 | 仲介手数料(税別) |
---|---|---|---|
1000万円 | 360,000円 | 1500万円 | 510,000円 |
2000万円 | 660,000円 | 2500万円 | 810,000円 |
3000万円 | 960,000円 | 3500万円 | 1110,000円 |
4000万円 | 1260,000円 | 4500万円 | 1410,000円 |
5000万円 | 1560,000円 | 5500万円 | 1710,000円 |
上の仲介手数料(3% + 6万円)は、法律で決められた上限額です。
なので、安くしてくれる不動産屋もあります。
ちなみに、不動産屋に買い取ってもらう場合は、仲介手数料は不要です。
売買契約書に貼る印紙代
マンションの売買契約書には、収入印紙を貼る必要があります。
(印紙税法で課税対象となる「1号文書」に該当する)
印紙代は契約金額によって変わり、下の表のようになります。
契約金額 | 印紙代 |
---|---|
500万円超~1000万円以下 | 5,000円 |
1000万円超~5000万円以下 | 10,000円 |
5000万円超~1億円以下 | 30,000円 |
※ 平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成される契約書の税率
参考 「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長及び拡充(PDF)
住宅ローンの清算費用
住宅ローンが残っている場合は、完済しないと売れません。
完済にも費用がかかるので、説明しておきますね。
住宅ローンを完済したときは、お金を借りた銀行に抵当権を抹消してもらいます。
つまり、マンションを借金の担保から外してもらうということです。
抵当権抹消の作業は、司法書士に依頼します。
登記内容変更の作業になるので、登録免許税と司法書士報酬がかかります。
作業 | 費用項目 | 金額 |
---|---|---|
抵当権抹消 |
|
|
ローン返済 銀行手数料 |
|
|
マンションは、一戸建てに比べて登録免許税の計算がややこしいです。
マンションによっては、敷地権が複数ある場合があります。
住宅ローンの返済手数料は、銀行によって違います。
数万円かかるところもあるので、ちゃんと聞いておきましょう。
引っ越し費用、仮住まい費用
マンションを売って新居に住み替えるなら、引っ越し代が必要です。
ちなみに、リクルートのSUUMO(スーモ)が面白いアンケートを取っています。
参考 SUUMO「2万人のアンケート調査から、賢い“引越しどき”が明らかに!」
上の記事では「3月・4月・5月・8月」の引っ越し代金が高いようです。
できれば、この時期の引っ越しは避けたいですね。
1月 | 83,469円 | 7月 | 89,253円 |
---|---|---|---|
2月 | 83,555円 | 8月 | 102,044円 |
3月 | 112,409円 | 9月 | 79,808円 |
4月 | 107,406円 | 10月 | 83,676円 |
5月 | 93,257円 | 11月 | 84,459円 |
6月 | 89,772円 | 12月 | 85,610円 |
表:SUUMO「2万人のアンケート調査から、賢い“引越しどき”が明らかに!」より
むむ、お得に引っ越せるのは9月なのですね。
マンション引き渡しから新居引っ越しまで間がある場合は、仮住まいが必要です。
家賃、敷金、礼金。それと、再引っ越し費用が要ります。
マンション売却の手数料や諸費用を払うタイミング
手数料や諸費用を払うタイミングについて、表を使って説明します。
金額が大きいものは、期日に余裕をもって準備しておきたいですね。
支払いのタイミング | 手数料・諸費用 |
---|---|
売却活動の開始前 |
|
売却活動中 |
|
売買契約が成約したとき |
|
決済 & 引き渡し |
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引き渡し後 |
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売却活動中、捨てられない不用品はトランクルームに預けておくといいです。
内覧希望者がいつ来てもいいように、お部屋をスッキリさせておきましょう。
譲渡所得が発生した場合は、翌年の確定申告で課税されます。
- 中古マンションの譲渡所得とは?
- マンションの売却による所得(利益)のこと。所得は、売却価格から取得費や特別控除額を差し引けます。
- 購入時より値下がりしたマンションは、譲渡所得がマイナスになるので課税されません。
また、瑕疵担保責任がある場合は、不備がみつかれば改善義務があります。
- 瑕疵担保責任とは?
- 瑕疵(かし)とは、ザックリ言うと欠陥や故障のことです。
- 不動産売買では、売主が瑕疵に気づいている場合は買主に告知するのがルールです。告知したうえで、両者が納得いく価格で取引します。
- 一方、マンションはとても複雑な製品で、売主が気づいてないところに瑕疵が存在するかもしれません。これを隠れた瑕疵といいます。
- 瑕疵担保責任は、この隠れた瑕疵にたいする責任のことです。
中古マンションを買って1週間で給排水管から水漏れしたら、買主は困ってしまいます。
だから、それは売主が修理してあげましょう、というのが瑕疵担保責任です。
しかし、いつまでも責任を取り続けるわけにはいきませんよね。
そこで、売買契約で瑕疵担保責任の範囲や期間を定めるのが一般的です。
ただし、売れにくくなるかもしれません。
手数料と諸費用からマンション売却額を考える
さて、住宅ローンが2,000万円残っていたとしましょう。
もし、マンションが2,000万円で売れたらトントンと言えるのでしょうか?
違いますよね。
このケースだと、諸費用や手数料は預貯金から持ち出しになります。
表にして、見てみましょう。
マンションの売却額 | +20,000,000円 |
---|---|
仲介手数料(消費税8%) | -712,800円 |
印紙代 | -10,000円 |
司法書士報酬 | -10,000円 |
登録免許税、印紙税等 | -2,000円 |
住宅ローン返済 | -20,000,000円 |
繰上返済手数料 | -54,000円 |
合計 | -788,800円 |
結果は、約80万円の赤字です。
つまり、できれば2,080万円ぐらいで売らないといけないということです。
他にも、リフォームや修繕、引越しなど必要に応じて費用がかかります。
マンションを売り出す前に、しっかり資金の計画をしておきたいですね。
まとめ
マンションを売却すると、いろいろな諸費用と仲介手数料がかかります。
合計すると結構な額になるので、売り出し価格を決める前に試算しておきましょう。
諸費用や手数料は、なかなか削減が難しいです。
削減と同時に、マンションを1万円でも高く売る方法を検討したいところ。
売却費用削減も高額売却も、不動産屋の協力とアドバイスが欠かせません。
頼りになる不動産屋をみつけたいですね。
諸費用のことだけでなく、査定額や売却活動の方針なども聞き比べるといいですよ。